ボルタ電池
最近の教科書はボルタ電池をほとんど扱っておらず
いきなりダニエル電池から始まっていたりする。
なんらかの理由はあるんだろうけど
やはりボルタ電池からはいらないと話がしにくい ということで
ボルタ電池から解説を始める人が多いみたいだけど
いろいろややこしい問題がおきてくるようだ
不用意に 陽極 とか 陰極 とかいう用語を使う人がいるけれど
これは電気分解のときの用語であって電池では絶対に使ってはいけない
(酸化と還元が逆になるのでくれぐれも注意してほしい)
さてボルタ電池というのは
正極に 銅 負極に 亜鉛 を使い
接触させずに希硫酸に浸し その間を導線で結んだ単純なものである。
亜鉛はイオン化傾向が水素より大きいから
負極の単体亜鉛(酸化数0)は亜鉛イオン(酸化数+2)となって溶液中に溶け出す
(すなわち負極では亜鉛が酸化される)
いっぽう正極では銅の表面で水溶液中の水素イオン(酸化数+1)が電子を受け取って
単体の水素(酸化数0)になり 気体として発生してくる
銅はイオン化傾向が水素より小さいので酸化されないし
金属なので還元されることもない
電子の通り道になっているだけである
(すなわち正極では水素イオンが還元される)
つづく